冒頭の写真は筆者所有のA−10Wで電源のインジケータは青色LEDに変えてあります。
さて、筆者は今でも1987年11月に発売されたA−10Wを使っています。
長きにわたり色々と改造してきました。
何時までも終りが見つからないのですが、もう程々にして、全面的にこのページを改編することにしました。
☆.電源コード(2014年)
電源コードを15A用から20A用(3.5sq)の軟銅線に変更しました。
次の写真はその電源コードに付けたプラグがUL規格合格レベルのコンセントに刺さっているところです。
黒いゴムキャップの方です。
次の写真は変更した電源コードが当機に入るところです。
電源コードの長さはコンセントまでの距離を考慮し3m近くあります。
秋葉原のオヤイデ電気で購入しました。
http://oyaide.com/catalog/products/p-476.html
我が家の屋内配線は20AのFケーブル(2.0φ)なので、前記で良いと考えました。
次の写真は内部配線との中継用のアウトレットの端子部分です。
次の写真は前面パネル直後にある電源スイッチまで20Aケーブルで往復するようにしたところです。
上の写真の矢印の白と黒の線が20Aケーブルで、往復1m近くになります。
このような長さの部分を機器内だからと言って放置するべきではないと考えました。
☆.MM/MC切替型に改造(2013年)
MMとMCの両方のカートリッジをほぼ同じボリューム位置で聞きたいと考えました。
1kHzの利得としてはMMでは35.5dB(60倍)ですが、MCでは60dB(1,000倍)です。
これはいわゆる入力感度をMM=2.5mVのところ、MC=0.15mVにするという事で、この入力電圧の時に共にREC.OUT=150mVになります。
MMとMCを切り替えて聞くためにイコライザ(以下、EQと言う)基板の裏に微小信号用のリレーを両面テープで貼り付け、これをパネルの『PHONO DIRECT』というツマミで操作するようにしました。
ポジションは(OFF)が(MC)、(DIRECT)が(MM)です。
☆.EQ回路を2つに(2019年)
EQを2つ搭載して音の違いを楽しもうと考え、研究テーマ9の回路11、AD797使用の回路をEQ2として搭載しようと考えました。
元の回路はEQ1と称することにしました。
EQ1とEQ2の切り替えは『TAPE COPY』スイッチで切り替えをするようにしました。
ポジションは(1⇒2)が(EQ1)、(2⇒1)が(EQ2)です。
次に上記2つの切り替えスイッチの写真を掲載します。
ツマミの筋が真上にいますが、上段はMC、下段はEQ1です。
☆.フォノ・イコライザ回路(元の回路:EQ1)
(2013年〜2019年)
次に掲げる3つのことを主な改造点としました。
1.マイラーコン等の電解コンでないコンデンサは全てポリプロピレン・コンデンサ(以下PPコンと略す)にする。
2.音質対策電解コンを用途に応じて品種を選択して使う。
3.オペアンプICは音質的に優れているNE5532を使う。
4.電源には定電圧回路の後ろに普通電解の大容量電解コンを入れ、PPコン1μFを並列に入れる。
次にEQ1の基板の部品面の写真を掲載します。
音質対策のために採用したオレンジ色のPPコンがたくさん見えます。
次にEQ1の基板の銅箔面の写真を掲載します。
追加したPPコンやリレーが見えます。
次に切替基板に搭載されているEQ1の出力部の写真を掲載します。
緑の音質対策電解コンやPPコンが見えます。
次にEQ1のL−CHの回路図を掲載します。
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次にEQ1のRIAA偏差特性を掲載します。
☆.EQ2(2019年)
次にEQ2の基板の部品面の写真を掲載します。
次に中間アンプの横の空きスペースに置いたEQ2の基板の銅箔面の写真を掲載します。
次に中間アンプとEQ2を上から見た写真を掲載します。
次にEQ2のL−CHの回路図を掲載します。
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次にEQ2のRIAA偏差特性を掲載します。
次にEQ1とEQ2の入力を切り替えるリレーの写真を掲載します。
信号側の切り替えとアース側の切り替えのためにリレーを2個使っています。
☆.中間アンプ(2017年)
原型機は中間アンプを使わない高利得メインアンプでしたが、筆者は普通に中間アンプのある形にしたいと考えました。
これは増幅の回数を増やすと音質が悪化すると言うことより、音質を悪化させるICやコンデンサを使わなければ音質は悪化しないと考えるからです。
また、時代が進み、音質を悪化させないICやコンデンサが容易に手に入るようになりました。
そこでPRE.OUTだけの為にある中間アンプを生かすことにしました。
利得としては17.7dBで、AUX入力150mVの時、出力1150mVとなるようにしました。
次にEQ2が重なる前の中間アンプ基板のパターン面の写真を掲載します。
次に中間アンプの変更後の回路図を掲載します。
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次に中間アンプの周波数特性図を掲載します。
☆.メインアンプ(1990年頃〜2017年)
さて、今は昔のことになりますが、我が家にA−10Wを設置して鳴らしてみたところ、筆者にとっては低域が全く不足でした。
また、音質的にも好ましい音ではなく、その原因はDCサーボと睨んできたので、この部分のオペアンプやコンデンサも変えてきました。
☆.メインアンプのDCアンプ化(2018年)
2018年1〜3月、金田式DCアンプ(6C33C−BハイブリッドDCパワーアンプ)の改修をしたことから金田式DCアンプの超重低音の再生力を知りました。
そこで、メインアンプのDCサーボ回路を不動作化することでA−10WのメインアンプをDCアンプにしました。
手法はDCサーボの入出力をカットする、DCサーボの電源をカットする、です。
次にDCサーボの入出力抵抗をカットしたL−CHの写真を掲載します。
心配した出力のDC漏れ電圧は増加しませんでした。
次にDCサーボに関する改造の変遷を図にしましたので、掲載します。
次にメインアンプのF特の変遷を図にしましたので、掲載します。
次にL−CHの回路図を掲載します。
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利得的には、前記した中間アンプを常に使うようにし、プリアウト出力1150mVから出力50Wになるような利得に変更しました。
音質的には、電解コンなどの大容量化とPPコンの導入をしました。
次にメインアンプ基板の部品面をセット上面から撮った写真を掲載します。
次にメインアンプ基板のパターン側にたくさんのPPコンが電解コンに並列されている写真を掲載します。
次にメインアンプの周波数特性図を掲載します。
☆.AUX総合
先ず、CD入力からSP出力までの周波数特性を掲載します。
辛くも100kHzで−1dB以内です。
☆.ところで当機の大きな問題点にクロストークがあります。
メインアンプ回路とメインボリュームがシールド板なしに向かい合っている構造なので、根本的な解決は出来ませんでしたが、ボリュームとその周辺をアルミ箔で覆うことにより、多少の改善が出来ました。
次にその様子を写した写真を掲載します。
また、POWER AMP LEVELというボリュームはメインボリュームと同様にクロストークの障害であり、不必要でもあるので、だいぶ前から解放しております。
次に改善前後のクロストークの特性図を掲載します。
☆.最後に
原型機の音とは似ても似つかない、すっかり違うアンプになりました。
超低域も含め、音質上の問題点は全くなくなり、現代に通用する音質になったと思います。
心残りはクロストークです。
測定は反対CH解放で、反対CHを実働に近い1kΩにすれば20kHzで−60dB以下になり、実害はなくなったのですが。
以上
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