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研究テーマ・14(全段無帰還形型インテグレーテッドアンプ)

研究名 全TR型 全段無帰還インテグレーテッドアンプ(2号機)

     プリメイン切り離し無し ラインアンプ・メインアンプ一体型

研究終了 2024年9月

内容説明

冒頭の写真はデモ用に製作した2号機です。

 

(1号機の1)、(1号機の2)、(2号機)は内部入替え可能です。

 

電圧負帰還(NFB)を全く掛けないプリメインアンプ(インテグレーテッドアンプ)を作ってみようと思い立ち、何回もの改善改良を重ねて一定の到達点に達しました。

 

アンプ回路はMCダイレクトEQと高利得メインアンプだけで構成され、各アンプの基本形は2段増幅型で、入出力は同相です。

 

全バイポーラートランジスター(以下TRと略)で、入力をコンデンサーレスにする為にベースをGND電位にし、エミッターをコレクターとは逆の電位に誘導する逆バイアス法を開発採用し、増幅初段、増幅後段共にTRにしました。

 

各アンプの前段  後段はNPN⇒PNP、またはPNP⇒NPNです。

 

さらに各段(前段、後段)の上下は対称形で、上がNPNなら下はPNP、上がPNPなら下はNPNです。

 

そして、プリアンプであっても出力を引き回す事を考えてエミッターフォロアー(以下エミホロと略)をつけましたが、上下対称型とする為にコンプリメンタリー型にしました。

 

 

なお、ここでは雑誌に未掲載のもの、

 

掲載したものとは実物や考え方が異なるものを

 

掲載する事にします。

 

 

☆3.全TR型アンプ(プリメイン切り離し無し)

 

現時点で出来上がった回路をMC−EQから順に紹介します。

 

 

(1).MCダイレクトイコライザー

 

MCヘッドアンプとMMイコライザーアンプをひとつにしたMC専用のイコライザーアンプです。

 

1kHzの利得は60dB(0.15mV→150mV)です。

 

 

@.回路図

 

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A.プリント基板部品面写真

 

当回路では全ての抵抗を金属皮膜抵抗にしました。

 

   

 

 

B.プリント基板部品面図

 

プリント基板はすべてサンハヤトのAT−1W(44)で、必要に応じてカットして使います。以下同じ。

 

また、例えば1/4W抵抗は通常は10mmピッチの穴に入れますが、多少無理をして当基板の穴ピッチである8mmピッチに入れます。

 

DCサーボ用のIC(8P)は板バネ型のソケットを使用し、3番ピンと6番ピンは横に出して部品面にてリード線を接続し、外側の穴に誘導します。

 

また、他のピンはそれなりに位置をずらして部品面図に従った穴に入れます。

 

コネクターはMolexのピンヘッダ、コネクターハウジング、コネクター端子を使用します。

 

さらに、本体シャーシーに組み込む時の向きは以下の図の向きとは限りませんので、ご注意ください。

 

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C.プリント基板銅箔面写真

 

    

 

 

D.プリント基板銅箔面図

 

銅箔面図にあらかじめ開いているφ1.0以外の穴径について記載しています。

 

前記写真にあるとおり、ランドとランドの間を下記銅箔面図に従って電線(例えば切り取った抵抗のリード線)で接続します。

 

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E.RIAA偏差特性

 

 

 

F.出力電圧対歪率特性

 

 

 

(2).高利得ディスクリート3段ダーリントン型

 

  メインアンプ

 

当機は、AUX(CD)入力150mVからメインアンプ出力レベル(50W/8Ω=20V)まで一気に増幅します。

 

歪率特性を改善する為に、電圧増幅段に後続する電力増幅段をディスクリートTR使用の3段ダーリントンにしました。

 

本回路は電源SW−ONから出力ONまでに約40秒を要します。

 

ディスクリート3段ダーリントンの特徴は20Hzと1kHzの歪率が定格出力付近まで低歪率で維持されながら、生音(原音)に対する忠実度が高いことです。

 

 

@.回路図

 

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A.プリント基板部品面写真

 

当回路では全ての抵抗を金属皮膜抵抗にしました。

 

パワー電源や出力の端子はエーモン工業の平型端子セットを加工してφ3.0穴に挿入します。

 

増幅後段の放熱器はアルミ板(t=1.5)を加工します。

 

パワーTRの放熱器は丸三のLEX30P30を高さ45mmに特注します。

 

 

 

B.プリント基板部品面図

 

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C.プリント基板銅箔面写真

 

   

 

 

D.プリント基板銅箔面図

 

パワーTRと放熱器の穴の位置は基板の穴の位置とは一致しません。

 

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E.周波数特性

 

 

 

F.出力電力対歪率特性

 

 

 

(3).電源回路

 

機器全体に電源を供給します。

 

特徴としては、アイドリング電流の安定化の為にメインアンプの増幅段用の電源を安定化電源にした事、プリアンプ用の電源のリップルを極限まで減らす工夫をしている事です。

 

 

@.回路図

 

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A.プリント基板部品面写真

 

   

 

 

B.プリント基板部品面図

 

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C.プリント基板銅箔面写真

 

   

 

 

D.プリント基板銅箔面図

 

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(4).プロテクター回路

 

メインアンプの出力がDC±600mV以上になった時に出力を開放します。

 

筆者が昔から使っている回路です。

 

 

@.回路図

 

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A.プリント基板部品面写真

 

    

 

 

B.プリント基板部品面図

 

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C.プリント基板銅箔面写真

 

    

 

 

D.プリント基板銅箔面図

 

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(5).突入電流緩和回路

 

電源トランスの1次側巻線抵抗が約1Ωなので、電源スイッチON時の突入電流が約100Aになります。

 

これを約10Aに抑え、約2秒後に全電圧がかかるようにする為の遅延回路です。

 

 

@.回路図

 

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A.プリント基板部品面写真

 

    

 

 

B.プリント基板部品面図

 

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C.プリント基板銅箔面写真

 

    

 

 

D.プリント基板銅箔面図

 

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(6).全体回路図

 

回路が膨大な為、プリアンプ他とメインアンプ他の2つに分けました。

 

さらにA4に印刷しようとすると、印刷倍率100%では端が欠けますので、フチなし全面印刷と印刷倍率の低減を適宜採用してください。

 

@.全TR型のプリアンプ他

 

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A.全TR型のメインアンプ他

 

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(7).試聴結果

 

生音(原音)にかなり近い音であると思います。

 

 

(8).最後に

 

初段FE型高利得メインアンプは音質的に存在理由が見つからないので開発を中止しました。

 

@.入力がゼロバイアス、つまりカップリングコンデンサーを使わない方法で全バイポーラートランジスターのアンプを作ったところ、バイポーラートランジスターは原音再生能力が高いことが分かりました。

 

ベースをGND電位にするとエミッターをコレクターとは逆方向の電位にしなければなりませんが、エミッターが導かれる電位の作成にもコンデンサーを使わない事にしました。

 

そして、この方法を逆バイアス法と称する事にしました

 

さらに、メインアンプを高利得化して、電圧増幅の回数を最低限度にすると原音再生能力がさらに高くなることが分かりました。

 

それに加え、電力増幅段も必要最低限度の段数にする方法を見出し、最低回数をさらに追求しました。

 

A.一方、FETは音楽を再生しますが、原音とは距離のある音になり、同時に味わいのない音である事が分かりました。

 

この為、例えばカップリングコンデンサーで音に色をつける、味わいをつける必要があると感じました。

 

さらに真空管的な音を目指すと、増幅の回数を減らすことよりも、ある程度の回数を用いた方がより真空管的な音になることが分かりました。

 

その結果として、初段FE型ではラインアンプとメインアンプと言う標準的な構成にして、カップリングコンデンサーを有機的に配置し、全体として音を作ると言う風にするのが適切であると考えるに至りました。

 

B.全バイポーラーで、どこにもカップリングコンデンサーのないラインアンプとメインアンプで構成する方法も発表しましたが、これはマルチアンプを作る為の方法です。

 

オーディオ装置には、全域アンプと全域スピーカー、全域アンプとマルチウェイスピーカー、マルチアンプと各域スピーカーがあると思いますので、すべてに対応出来たと考えます。

 

 

 

                             以上

 

 

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