ここでは各回路だけでない様々な音質改善の方法について述べようと思います。
トップの写真はホームセンターで売っている三角が並んだ形のゴム板とUL規格のACコンセントです。
☆.振動の除去と回避
トップの左の写真ですが、スピーカの前後方向の振動を床に伝え難くする為の少し柔らかいゴム板です。
ゴム板に変える前は直径2.5cmほどのパイプでした。
次の写真は2013年11月2日にお茶の水で開催されたラジオ技術主催の『音の展覧会』の会場風景です。
よく見るとテーブル上のスピーカーの下にパイプが敷かれています。
次の写真は上とは別のスピーカーの載せ方です。
前後にストッパーのある置台にパイプが2本置かれ、パイプの上にスピーカーが載っています。
ところで、スピーカーのコーン紙が前後に振動すると、その作用反作用で箱も前後に振動します。
実際には前後→後前という単純な動きだけではないと思いますが、主はそれだ、とのことです。
ですので、箱と置台の間に写真のようにパイプを置いて箱が前後に自由に動けるようにすると、スピーカーの前後振動が床に伝わり難くなるとのことです。
筆者はそれを自宅の装置に取り込みました。
筆者の自宅はマンションで、既にコンクリート板の上にスピーカーを置いていたので、これの水平を出してから、パイプを介してスピーカーを載せました。
今迄はドーンと低音が鳴ると床も振動していましたが、床の振動は激減してしまいました。
床が振動するのも趣きがあったと思いますし、愉快だったのですがねー。
しかし、一般家庭で永続的にこのような状態を維持するのは不適切と考えるようになりました。
そこで冒頭の写真のゴム板を次の写真のようにスピーカの四隅の下に貼りました。
パイプを外してゴム板を挟んで設置したスピーカが次の写真です。
結果ですが、低音と床の振動の関係はあまり変わりはなく、これで良いと考えます。
☆.次は振動を受ける方ですが、以下はラジオ技術誌の2014年1月号に紹介されたX軸Y軸防振台です。
周囲の枠の中に枠から独立した載せ台があり、この載せ台が水平の前後左右に動きます。
回転やねじれはありません。
上の写真をクリックすると8秒の設置状況の動画がご覧になれます。
画像をあまり圧縮していないのでダウンロードに時間がかかりますが、ご了承ください。
よく見ると26.4kgのCDプレーヤを載せた直後に水平の前後左右に動いているのが分かると思います。
これで、メーカー希望小売価格数十万円の音が変わるのですから、驚きです。
☆.ところで筆者は自宅の装置が左右のスピーカーの間にアンプなどを置いているという点に着目して、左右から来るX軸方向の振動に対してこれをパイプで吸収してみようと考えました。
スピーカーの下のパイプは前後振動を吸収しますが、横に置かれたアンプなどが床や置台とともに振動するとすれば左右振動が主ではないかと考えました。
とりあえず主成分だけでも吸収してみたら効果があるかも知れないと考えました。
順にその様子を写真で紹介します。
先ずCDプレーヤーです。
これでCDプレーヤーは左右に2cmほど動くことが出来、ほぼその中央付近に静止しています。
次はアナログレコードプレーヤーです。
プレーヤーの両側には左右合計7mmほどの隙間があり、その中央付近に静止しています。
プレーヤー本体がパーチクルボードなので、重さによる本体のへこみを考えて、アルミ板を挟みました。 アルミ板は本体に接着してあります。
最後はアンプです。
後ろにたくさんの電線が接続されているので、それが左右動の邪魔にならないように処理しています。
これで左右に2cmほど動くことが出来、ほぼその中央付近に静止しています。
☆.スピーカの防振がゴム板で済むことが分かったので、振動を受ける方も同様に考えました。
順にその様子を写真で紹介します。
先ずCDプレーヤですが、次は固い足を柔らかめのゴム足に変えた写真です。
次はアナログプレーヤですが、元々ついていた脚は廃棄した為、CDプレーヤと同じ足を付けました。
最後はアンプで、同様のゴム足に変えた写真です。
パイプでは横方向の振動だけを吸収していた訳ですが、柔らかめのゴム足にすることで、全方向の振動が吸収されるようになったと思います。
ゴム足ではパイプのようには大振幅の振動は吸収できない筈ですが、実際には目に見えるような大振幅振動はなく、ゴム足で十分吸収していると考えます。
☆.試聴結果
これによる音質変化は目を見張るものです。
全域にわたって歪み感がなくなり、主観ですが、音が美しくなりました。
☆.電源関係
次の写真は我が家のオーディオ用のコンセントです。
このコンセントは米国UL規格120V20A用です。
特徴は接触部分のバネ圧が高いことです。
今刺さっているのはアンプ以外の全ての機器用をまとめたものです。
上の空いているところにA−10W改4の電源コードが刺さります。
これは15年ほど前にオーディオフェアで知り、その直後に取り替えたものです。
☆.試聴結果
1番の特徴は低域の馬力が増すことです。ブーミーではありません。
電源コードも太くしましたが、それはA−10W改造記で述べています。
A−10W改造記をご覧いただける方はここをクリックしてください。
☆.スピーカーケーブル
次の写真はラジオ技術誌を通して知ったスピーカーケーブルです。
茶色いものは和紙で、この中の両端に被覆を剥いた電線が通っています。
電線は被覆が剥かれています。
筆者はこれを真似て下のようなものを作りました。
1枚目は全体、2枚目は先端部分です。
白いものは和紙で幅は約36mm、中の両端にウレタン等の被膜のない電線が通っています。
電線は30A用の撚線のACケーブルから抜き取った直径0.32mmのもので本数は各々29本です。
赤と黒のビニール被覆は先端部分だけです。
電線の位置を概略固定して全体の形を整える方法としてミシンで縫ってあります。
糸は木綿糸です。
☆.試聴結果
特にCDの音が生々しくなる、つまりアナログレコードの音(A−10W改4)に接近したように感じました。
アナログレコードの音はほとんど変化がなかったように感じました。
以上
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