☆.このページは延長論『エポキシで固める』です。
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☆.トップの写真は出力のLPFをエポキシ接着剤で固めた状態です。
『ラジオ技術』というオーディオ技術系専門の月刊誌が定例開催している自由参加自由持込みの試聴会で耳の肥えた方々に聞いて頂き助言を頂きました。
それによると、振動を抑えるとさらに音が良くなる、とのことでした。
当機は原設計に回路変更部品変更を多数行っているので空中配線が多いのが欠点です。
また、コイル類も手巻きのままです。
そこで、エポキシ接着剤で弱そうな部分を中心にして固めました。
代表的なところを順に紹介します。
先ず、メインアンプ初段の超高速オペアンプ部分です。
次はADコンバータ部分です。
次は出力段と追加した電源電解コンデンサです。
最後はAC入力部のコモンモードコイルですが、2つの面を撮影しました。
この他にも縦型の部品などを中心にして固めましたが、省略します。
再度試聴していただいたところ改善されたとの評価を頂きましたが、アナログアンプに肩を並べることが出来た訳ではないようでした。
以上
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★ 付録.パターンの書き方について
筆者は昔々、高周波回路の設計において信号電流(仮想電流)の流れに着目してパターンを作成した結果、必ずしもベタアースが必要ではない事が分かりました。
同時にベタアースにしただけでは高周波回路の種々の問題解決は出来ない事が分かりました。
上で言う信号電流について別の説明をすると、例えば筆者が昔々この原則にたどり着いた時の事を例にして言えば、次の図のような事だったのです。
実例として、まずFM・RF帯を10.7MHzに変換するところを回路図に示すと次のようになります。
しかし、書きあがったパターンを回路図的に書くと次のようになりました。
入力のベースから入ってエミッタへ出てきた信号電流はどうやって帰るのでしょう。
エミッタ→コレクタ→IFT→+Bと流れる出力の信号はどこを通ってエミッタへ帰るのでしょう。
もうひとつの事例としてFM・IFの選択増幅段を上げると、その一部分の回路図は次のようになります。
しかし、書きあがったパターンを回路図的に書くと次のようになりました。
この様な部品配置のパターンを作成すれば、信号電流がどのように流れるのか見当もつかなくなります。
しかし、上の2者に共通するところは、回路の周囲はぐるっとベタアースで囲まれている事です。
ベタアースこそが高周波基板の書き方である、それ以上何も考えることはないと考えていたようでした。
しかし、このようなチューナは不要輻射規格に合格できなかったり、所要の感度が得られないなどのNGチューナにしかならないのです。
不要輻射規格に合格できなかったり、所要の感度が得られなければ商品として世の中に出る事はありませんからお客様に迷惑がかかる事はありませんが、内部では不必要な手間がかかっていた事になります。
D級アンプのパターンをベタアースで書く人はいないでしょう。
だからこそ、信号電流に忠実にパターンを書かなければ基本性能である歪率すら十分低い値に出来ないだろうと思います。
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